南国の味覚「土佐文旦」

我らはある流行病が蔓延してどうのこうの言われ始めた頃から、ハイエースを買って日本中に旅に出た。

その資金は各地のアルバイトで賄っていた。

縁あってその時にお世話になった文旦農家さんがいて、今も繁忙期にお手伝いさせてもらうことがある。

百聞は一見にしかず!先ず見てみてください。

大自然の中での仕事や農家さんの人柄が良いのも理由だが、

文旦がはちゃめちゃに美味いと言うのも大きな理由である。

初めて文旦を食べた日

初めて文旦の山に仕事で行った時は、花つけをした。

(花つけ:文旦の花に花粉をつけていく仕事)

その時はまだ果実はなく文旦は見ることがなかったが、その冬に収穫でもお世話になった時に文旦を初めて見た。

綺麗な黄色の大きなグレープフルーツみたいな実が木にいっぱいぶら下がっていたのだ。

一つあたりの重さは500gから800gもありとりあいず大きい。

デカ可愛いのである。

収穫作業は山の急斜面で行う。

肩にかけたカゴに収穫していき、山から下ろすレールまで運ぶのだ。

重さは10キロぐらいはある。

さらにそれをトラックに積みこみ…

作業は続き、一日中してると全身がバキバキになる。

一週間も経てば体が引き締まり、筋肉がつき一回りゴツくなり、鍛えたい男子には最高の仕事だ。

そんな文旦仕事の現場の特権で、収穫中に落とした文旦など傷になった物を山での休憩中に食べさせてもらう事があった。

その時の味が忘れられない。

高知県の山の冬はひやい(寒い)が収穫してる汗をかくほど暑くなる事も、もちろん喉も乾く。

そんな時に分厚い皮を剥き、薄皮も剥き、タネを取った文旦を口に入れると。

プチプチと心地よい食感と果汁が弾ける。

最高の清涼感。

数々の大手飲料メーカーやグミなどを作ってるお菓子メーカーが現したいのはこう言う味覚なんやろなっと思った。

味はアクエリみたいな感じ。

酸味と甘いの両方があって、収穫した山や日当りの条件によって味が違う。

文旦の選び方も重要でズッシリ重みがあり、肌のキメが細かく、濃い黄色でちょっとオレンジに日焼けしてるやつなんかは最高の状態。

市場に出るまでは2ヶ月ほど寝かすが、収穫時期は酸味が強くフレッシュな味いだがこれが疲れた体に五臓六腑に染み渡る。

この味を一度覚えてしまうと、文旦ファンまっしぐらだ。

文旦の食べ方

文旦は皮が厚く食べるのが少し面倒と言われる。

正直全く共感できないし、面倒なら食べなくて結構っと思ってしまうがw

自分が特別器用に食べる方法を見つけたからかもしれないので、食べ方を説明しま!

まず文旦の上下を切る

外の皮に4本切り込みを入れる。(4等分に向けるように)

外皮を剥き、

房を割り、一つずつ分ける。

次に薄皮を剥くのに中心側を爪で破る。

そこから薄皮を開いていき種を取り除き、後は食べるだけ。

(白い部分は苦味があるので一緒に食べないように気を付ける)

手の力があればナイフを使わず手で外皮も剥いて食べる事もできる。

一度食べ始めると無我夢中で食べてしまう。

是非、高知南国の味覚 土佐文旦をご賞味あれ。

余計な一言…

世の中に安くて美味いっぽい?物は山ほどあるけど、ほんまに美味い物はしっかり探さな見つからへんと思う。

今回の文旦みたいな味の物と言えば

柑橘の爽やかな味のジュースみたいな物はいくらでも売っている。

それは、タダでさえ体や精神に強い影響を与えると言われている白砂糖よりも更に

科学の力で精製し、より甘く、より鋭くした人工甘味料を主原料にし、それに香料や、着色料、たっぷりの保存料なんかで作られた欲望の汁。

そんな物を頂くのは、細胞も若く、何しても次の日全回復してるような年頃「中学生ぐらい」までにしといて、

充分大人になった自分は、食べる物にしっかりを興味を持って選んで行きたいと思う。

一回きりと噂の人生、美味いもの食わなあかんで、ほんまに。

って事でした。