一本の電話から全てが変わっていった。
いかにもなキャッチフレーズから始まる食養生体験記。
自分が食に興味を持つきっかけとなった6年ほど前の話。
多分2019年、その時自分は社員旅行でパンガン島に来ていた。
旅人なら誰もが知るタイにある四六時中パーティしている島である。
当時26歳だった。
初めてのパンガン島を満喫していた、3泊ぐらいの日程のある夜。
自分は釣り竿を持って港へアオリイカを釣りに行った。
ルアーを投げて、リールを巻いてると、カナから電話が来た。
「自然食のお店をやることにしたんだよね」
1秒ほど頭が真っ白になったが、次第に理解しはじめた。
現在、妻であるカナとはその時以前からの長い付き合いで
色んな所で一緒に過ごして来たが、この時期は日本とタイで遠距離で互いに過ごしていた。
今までも将来の話になった事は何度かあった。よくあるカップルの会話である。
常に現状が楽しすぎて3日先以上の事は考えれなかった26歳の自分に対し、
カナは「自分の店をしたい」とか「自分で商売をして生きて行きたい」など言っていた事を思い出した。
ついに、その時が来たかと思った。
腹を括り、誰もが踏める訳でない大きな一歩を踏み出した彼女に尊敬したのと同時に
結構でかめの不安を感じた。
自分にとってはスケールが大きすぎる決断がめちゃくちゃ身近で行われたからだ。
次第に落ち着きを取り戻し、黄緑のプリングルスに手を突っ込みながら
「何なんそれ?」と聞くと。
彼女は
「食べるものが体を作るねん。体に負担のかかるものはあまり食べず、良いものを食べる事が体にもよく健康な体が自分の人生をよくすると思うねん。
でも現在は農薬とか添加物とかが使われてる食材ばかりで環境的にもそれが難しいんや、だから無添加の食品や自然な物が揃ったみんなが気軽に来れるお店を作りたいねん。」
言われてみると、ごもっともな事を言われ、
確かに…健康大事やしな…平和やしな…経営ってどんなんやろ…店舗も借りるんやろな…資金どうするんやろ…
ミナミの帝王みたいにならんかな…とかある事無い事ビビりながら考えてたら
続け様に
「千葉県の松戸市に店舗も決まって改装も済んで、もうすぐオープンやで」と強烈な追撃を喰らう。
強烈すぎて、何も言う事ができず、ただただプリングルスを頬ぼるしか出来なかった。
今までアルバイトしてお給料を頂いて、その範囲で生活するのが普通だった自分にとって、ほんとうに衝撃だった。
と同時に覚悟を決めて行動に移した人の勢いにも驚き、関心し、すごいなぁと更にもう3枚重ねてプリングルスを頬張った。
この時に自分も
「オレも行く道、行くしかなくなったやん」ってなった。
と言うことで!この日の一本の電話が自然食や無添加、食養生などに向き合うきっかけになった。
そしてそれが今では自分の食の基盤となり、色んな情報に惑わされたりする事も少なくなり、
自分の納得できる食生活を送れている。
まぁ、今も勉強と経験の連続で、喜びと挫折、感動と不安、言い出したらキリがないのが人の生かと思います。
そんなこんなを食養生記として綴っていきます。